振動スピーカーとは

振動スピーカーとは

通常のスピーカーは、プレーヤーから送られた電気信号がAVアンプによって振動に変換され、それを受けたスピーカー内部の振動板が共鳴することで空気に振動が伝わり音になる、という仕組みになっています。

しかし、振動スピーカーは特定の振動板を必要としません。壁や床、テーブル、天井、ショーウインドウ等の「面」に直接スピーカーを圧着させ、「面」全体を振動板にすることができます。


図1 壁に設置している事例(左図)と、天井に設置している事例(右図)。面全体から音が鳴り響いているような印象を与えることができる。
(弊社取扱製品:SSP6

振動スピーカーは、圧着されるモノの材質によって音質が変化するのが魅力です。例えば、木製の机に設置すれば、温かみのある柔らかな音質になりますし、ショーウインドウのガラス面に設置すれば、硬く鋭い音質になります。設置する場所を変えるだけで多彩な音質の変化が堪能できる点も、振動スピーカーの魅力と言えるでしょう。

振動スピーカーのメリット

◆今までスピーカーを設置できなかった場所から音を届ける

例えばショーウインドウの内側にスピーカーを設置したい場合、通常のスピーカーではショーウインドウの内側から外側へ向けて音を届けることは不可能でした。振動スピーカーの「圧着した面そのものをスピーカーに変える」という特性により、ショーウインドウや天井裏等、景観を損ねることなく外側へ音を発することができます。

◆全帯域の音を均一に再現

低音と高音では、音の伝わり方が異なります。低音は比較的全方向に広がっていく傾向があり、高音は指向性が強く狭い角度で伝わります。通常のスピーカーでは、この音の伝達特性の違いそのままに音を発生させるため、リスナーの位置によっては音の聞こえ方が変わってしまいます。振動スピーカーは、空間全体に均等な音を提供することができます。

◆スピーカーの向きの調整は不要

全帯域の音を均一に再現することのできる振動スピーカーの導入により、スピーカーの向きやリスナーの位置を調整する必要はありません。振動スピーカーを天井裏に設置した場合、その空間にいるリスナー全員に対し均等な音を届けることができます。

◆設置コストの削減

通常のスピーカーを設置する時、建物の壁面に穴を開けたり、スピーカーの種類ごとに配線作業が必要になったり、多くの煩雑な課題が発生します。設置面に圧着させるだけで音を鳴らすことができる振動スピーカーは、これらの設置コストを削減することができます。

振動スピーカーの種類

個人用振動スピーカー

自宅やアウトドア等で気軽に振動スピーカーを使用したい方は、手のひらサイズ~卓上サイズの軽量コンパクトな個人用モデルがおすすめです。業務用のモデルと比べるとパワーや音質は劣りますが、窓や机へ簡単に取り付けて音の変化を楽しめるのが特徴です。
携帯型/据え置き型、有線接続/Bluetooth接続、充電式/電池式、防水機能の有無、2台接続によるステレオ機能の有無等、機種によって様々な機能が搭載されていますので、ご希望の用途に応じて比較検討してください。

業務用振動スピーカー

店舗や展示場、公共施設等、広い空間に適した振動スピーカーも存在します。通常のスピーカーの場合、「スピーカーの近くにいるリスナーには大きくはっきりと聞こえるが、遠くにいるリスナーには聞こえづらい」といったようにスピーカーとリスナーの距離によって音の聞こえ方にムラが生じてしまいます。しかし、振動スピーカーを壁や天井に圧着させれば、同空間にいるリスナー全員に均一な音量を届けることができます。
設置が簡単なうえ、スピーカー本体を壁裏や天井裏などに隠すことのできる振動スピーカーは、店舗のショーウインドウやサウンドマスキングシステムとしての使用等、個人利用以外の場面でも注目されています。

取り扱い振動スピーカー

SSP6

従来の振動スピーカーは帯域も狭く出力も低く、耐久性においても、業務として利用するには充分なものではありませんでした。しかしアメリカで研究されていたSSP6に弊社が注目し、2017年から国内販売を開始しました。
SSP6は従来の振動スピーカーでは音を出すことが難しかった百貨店や店舗などの大きく厚いウィンドウに対しても、低音域から高音域までをカバーする音を大音量で流すことが可能になりました。
また、天井や壁の裏側にスピーカー本体を隠すことができるため、空間デザインを損なわない"インビジブルスピーカー"としても注目を集めています。
SSP6の詳細はこちら>